サンタの衣装を着せるほうも着せるほうなら、着るほうも着るほう
早めの休みを家族のいる上海で過ごしていましたが、
パソコンの画面を通して私の目に飛び込んできたのが、
契約更改後の記者会見で真っ赤な
サンタクロースの衣装を着た内川選手の写真。
内川選手が遠ざかっていった気がしたのか、
私が思いっきり引いたのかはわかりませんが、
近くとはいえ上海という「海外」にいたせいか、
内川選手や日本のプロ野球界と
距離を感じた瞬間でもありました。
契約更改のニュースができるだけ「絵」になるようにと、
記者たちが小道具を用意する意図は理解します。また、
契約更改時に小道具を記者たちに用意してもらうこと、
またそれらの小道具を使いこなしたり着こなすことは、
プロ野球選手としての「大物度」のあらわれであるということも。
だから内川選手も堂々とサンタクロースの衣装を着たのでしょう。
でも、バブル、バブル崩壊、赤字経営による球団の消滅、
未曾有といわれるような不景気などを経てもなお、
契約更改時のプロ野球選手の
「決めショット」が同じでいいんでしょうか。
プロ野球選手の高額な年俸や、年俸の上昇率が
「景気のいい話」の象徴として世間を明るく照らしたり、
人々に希望を与えたりすることはかつてあったでしょう。
しかし、「うっち〜の年俸の上がり具合がスゴくて、
気分が明るくなってきたぜ!」って、いまそんな時代ですか?
しかも、球団は親会社が大金を補てんすることで成り立ち、
年俸の高騰はチケット代の値上がりなどでファンに
ハネ返ってくることもありうること、そして現状の
年俸水準では、近鉄のように球団がなくなるかもしれない…。
ファンですらそんな危機感を持っているいま、
サ・ン・タ・ク・ロ・ー・スですか?
そして、何よりベイスターズはブッチ切りの最下位ですよ。
内川選手はいまやチームの成績の責任を負うべき主力選手です。
球団も選手もこのオフはいってみれば「喪中」のようなもの。
下を向いてばかりのツラいシーズンを送ったファンの心境を考えれば、
年俸がバカみたいに上がったとはいっても、やっぱり
真っ赤っかなサンタクロースの衣装はないかなーと思います。
プロ野球関連のメディアが、季節や行事ごとに
「欲しがる」発言やポーズが伝統的にあるんでしょうが、
「時代」をムシしてただ伝統を踏襲するだけでは、
メディアや選手がファン心理とどんどん乖離してしまいます。
フォトジェニックでサービス精神旺盛な内川選手に、
サンタの衣装を着せたいという記者の気持ちも想像できますし、
内川選手もただメディアの期待に応えただけだと思いますが、
年俸の額に果てしない距離はあっても
選手とファンの心の距離が開かないように、
記者会見のカメラのレンズの向こうにいる
私たちファンの気持ちと「時代」の空気に、
選手やメディアはもう少し敏感であって欲しいと思います。
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